タテシナソンにスタッフとして協力してくれている学生さんで、過去タテシナソンに参加したことがある”4人”に、「タテシナソンってどんなイメージだったか」「タテシナソンに参加してどうだったか」といったテーマでコラムを書いてもらう本企画の第2弾です。
第2回タテシナソンへ参加した竹花さんです。当時高校3年生だった彼女が得たものとは…。
竹花日和 (たけはな ひより)
長野大学 環境ツーリズム学部 3年
長野県上田市出身で、唐揚げが好き。高校生の時に参加者として、大学生になってからは学生スタッフとして関わらせてもらっています。
タテシナソン体験談
長野大学 環境ツーリズム学部 3年 竹花日和
〇参加するまで
私は第2回タテシナソンに高校3年生で初めて参加しました。参加しようと決めたのは、地域活性化に興味があったからです。ただ興味はあっても実際「地域活性化って?」と聞かれると何も知らないと感じ、リアルな地域活性化を体験するのが第1歩なのではないかとタテシナソンに参加しました。
ただ出会いは本当に偶然で、夏休みの期間ボランティア活動をしようとウェブで情報を探していたらたまたま見つけたのがきっかけです。タテシナソンについて詳しくは知らない状態ながら直感で応募してみました。
9月開催のため、当時高校生の私はすでに夏休み明け授業が始まっていて、私の高校では公欠の扱いにならなかったため、泣く泣く学校を休んだこと、その分後悔しないようにしたいと思ったことを今でも覚えています。
大学生と違って専門知識を有していない私が本当にできるのかと悩み、タテシナソンにも自分にも不安があったので、放課後の教室で主催者である立科町企画課の職員さんに直接掛け合うべく役場に電話をしたことも思い出しました。 本当に参加するかまだ決心がつかない状態でしたが、職員さんとお話しした時に伝わる熱とワクワク感、その電話でやってみようと決心しました。
〇参加してみて
驚きばかりの2日間の中で特に驚いたことが3つあります。
まず、何より「人」がすごいです。
タテシナソンに参加する人達はお互い出身もバックグラウンドも全く違います。地方創生のイベントだからきっと地域創生系専攻の人たちばかりなのだろうと予想していたのですが、実際の参加者は学部も興味分野もバラバラで肩書きや情報だけを見ると地方創生と全く関係ないと思うような人もいました。ただ、実際に会ってみると全く異なる分野だからこそ地域創生と掛け合わせたいと思っていたり、色んな切り口からアプローチしたいと思っていたり、そんな人の内側にある想いを知ったことで肩書きや情報だけでは分からない情熱があると感じました。表面的な捉え方をしていた私にとって最初の刺激でした。
また主催スタッフの方とお会いして、楽しむって、こういうことだよなと思いながら、私がこれまで関わってきた大人と良い意味で少し違ったのが刺激になりました。
次に「リアルさ」がすごいです。
立科町の事業者が実際に抱えている課題を解決するためのアイデアを出すというイベントですが、タテシナソンが成立するのは事業者が包み隠さず打ち明けてくれるからこそだと思います。こうやって実情を学生達に伝えてくれる機会はとても少ないと思いますし、私はその経験がなかったため色んなお話を聞く中で、事業や地方の苦労も含めてリアルを感じました。このリアルさによって私たちも「何とかしたい」という思いが強くなり、地域のリアルを考える視点に繋がったと思います。
最後は「濃さ」がすごいことです。
28時間、体感はめちゃくちゃ速いです。この限られた時間の中でアイデアを提案できるくらい形にしなければならないのですが、アイデアを考えるために自分についても考える必要がありました。「自分にはどんな強みや興味があるのか」から始まり「どんな経験と学びをしてきたか」と1つ1つ振り返ってみて、意外と当たり前だったことも他の人には珍しかったり、無意識の考えや行動にヒントがあったり、自分だけでは気付けなかった発見がありました。私はずっと生まれてからずっと同じ地域にいたので、自分の当たり前が当たり前ではないことをここで初めて知りました。そうした自分の内側からの手がかりをもとにどんなことができるだろうかと考える時間は、自分を見つめ直す良い機会でもありました。
また、その中で力不足に感じる部分もありました。アイデアを出す時にうまくアウトプットができないことに悔しさを感じてイベントが終わった後の夜は寝られないほどでした。ただその時の悔しさがタテシナソン後の日常で私の原動力となり、今の自分を作ってくれた大切な要素の一つになっています。
この2日間のタテシナソンを通して経験した非日常は、帰っても忘れられなかったです。これまでずっと地元で同じような人達と過ごしてきた私にとって、何の共通点もない全国の人達と立科で出会って、終わるころにはタテシナソンが共通点になっていて。地域で全国と繋がれるんだと可能性を感じ、急に世界がぐっと広がった気がしました。
もし参加をしようか迷っている方がいたら、ぜひ1歩踏み出してほしいです。人見知りで“緊張しい”の私には、2日間初対面のメンバーと一緒に過ごしながら考えて人前で発表するのはあまりに高すぎるハードルでした。しかし私は3年経った今でもあの時挑戦してよかったと自信を持って言えます。
そしてこの経験をしたからこそ、今いる大学に進学したわけですが、もしこの体験がなかったらこの大学には進学していなかったと思いますし、タテシナソンに関わらせてもらうこともなかったと思います。そう思うと、不安でいっぱいながら1歩を踏み出した高校生の私を褒めてあげたいですし、何より参加させてくださった関係者の方に感謝してもしきれません。
最後に、スタッフとして今回はどんな人たちが地域の新しい可能性を生み出すんだろうと考えると、とても楽しみです。この28時間が参加者の皆さんにとって有意義な時間になるよう私達学生スタッフも頑張りますのでタテシナソンでお会いできたらと思います。