タテシナソンレポート 学生編⑤工藤さん

タテシナソンにスタッフとして協力してくれている学生さんで、過去タテシナソンに参加したことがある”4人”に、「タテシナソンってどんなイメージだったか」「タテシナソンに参加してどうだったか」といったテーマでコラムを書いてもらう本企画の最終回です。

第2回(2018年)、第3回(2019年)と2回タテシナソンへ参加した工藤さんです。工藤さんも竹花さん(第2弾)と同じく当時高校生でした。

工藤美里 (くどう みさと)

長野大学 環境ツーリズム学部 3年
立科町出身で趣味は家庭菜園と料理です。収穫した野菜で作るカレーが大好き!!


〇はじめに

はじめまして!長野大学の工藤美里です。

タテシナソンには第2回と第3回に参加させていただきました!今回は私がなぜタテシナソンに参加したのか、実際に参加してみてどうだったかなどをお伝えしたいと思います。

学生コラムを読んでくれた方々のタテシナソンに対するイメージが少しでも具体的になれば幸いです。

〇タテシナソンとの出会い

最初に、タテシナソンの存在を知った経緯をお話します。

当時私は高校3年生でした。夏休み前くらいの時期になんとなく地元の立科町の公式サイトを見ていたらページの下の方に他サイトに飛べるバナーが並んでいるのを見つけました。スキー場、観光協会、そして見覚えのない黄色いバナー…それがタテシナソンとの出会いでした。恐る恐るタテシナソンのサイトに飛ぶと、「立科町をヤバくする 学生アイデアソン リアルガチの28時間」の文字。

「ヤバそう」

そう直感しました。それでもページを読み進めていくと楽しそうで、参加したいという思いが出てきました。特に私がタテシナソンに対して魅力に感じたポイントを3つ紹介していきます。

①地域創生のイベントであること
当時、長野大学に入学して地域活性化の活動をしたいと思っており、高校生のうちから何か始めたいと考えていました。でもどうすればいいかわからない…そんな時にタテシナソンを知りました。また、「これは推薦入試の面接で話せるぞ!」なんてちょっと卑怯(?)なことも思っていたのでした(笑)

②色んな学生と交流できること
私はコミュニケーション能力に全く自信がなく、この点は心配でもある半面、楽しみでもありました。大学生ってどんな人がいるんだろう、という疑問を持っていたので、その問題を解決させるチャンスが来た!と思ったのです。でも普段はほとんど同じ友達としか話さないのに、いきなり初対面の人と28時間も一緒に過ごせるんだろうか…と悩む日もありました。それでも「やっぱり挑戦したい!これを逃したら後悔しそうな予感がする!」と参加を決意しました。

③立科町で開催されること
これはかなり大きいポイントでした。地域活性化に取り組みたい私にとって、立科町こそ最高の舞台です。自分が出した案を直接地元に還元できる可能性があるのなら参加するしかありません。また、立科町出身ならば他の人とは違ったアイデアが出せるのでは?と自信満々で応募しました。

(しかし、この自信は打ち砕かれてしまうのでした…)

〇実際に参加してみての感想

タテシナソンの感想を簡潔にまとめると

「しんどい、でもそれ以上に最高に楽しい!」

です。では実際にどんなところがしんどくて最高に楽しいのか、参加した当時のことを具体的に振り返りながら説明していきます。

・1回目(第2回タテシナソン参加時)
1回目に参加した時のチームメンバーは関東圏の大学生3名と長野県内の高校生1名と組むことになりました。そして、各チームに1人ナビゲーターを務めてくれるガイドがいました。私たちのチームには立科町内でワイン農園を持っている中村さんがついてくれました。最初は緊張でガチガチの私でしたが、アイスブレイクも設けられていたことと、メンバーの皆が優しかったおかげで、次第に打ち解けていくことができました。

第2回タテシナソンの課題提供事業者は山浦木材建材株式会社さんで、大量の木材を活用して利益を生み出すためのアイデアが課題でした。

ここで問題が発生します。

「私、立科町のことほとんど知らない」

ということが判明したのです。地元なのに山浦木材さんのこともタテシナソンを通じて初めて知りました。かなりショックを受けました。じゃあ地元民として力になれないじゃないか、と。

しかし、立科町を知らないことは他の参加者も同様です。むしろ固定概念が無い方が斬新な案が出ることもあります。ならばタテシナソンを通じてメンバーの意見を柔軟に取り入れつつ、広い視野をもって立科町を再認識していこう!という目標を自分の中でつくりました。

少し脱線させてしまいましたが、話を戻します。ではアイデアを出すために色んな情報を集めようということで、ガイドの中村さんの運転で立科町を巡りました。山浦木材さんへ伺って現状を確認したり、第1回課題提供事業者のもうもうさんに行ってみたり、小さなアイデアを集めて話し合いをしたり…色々やっていたら気づけば夜になっていました。ここが「しんどい」ところでした。なかなか考えがまとまらないのです。たくさんアイデアは出るけども、なんだかピンとくるものがなく、午前1時〜2時頃まで話し合っていたと思います。いつの間にか寝ていて、ふと起きたら空が少しだけ明るくなっていました。上手くアイデアをプレゼンすることができるのか不安で、起床したメンバーと外の空気を吸いに行きました。朝焼けがキレイで気づいたら不安が無くなっていたのを覚えています。散歩から帰ると、アイデアの発表に向けてラストスパート。もう不安や迷いはありませんでした。緊張はしていましたが、早く発表したい!他チームの発表を聞きたい!というワクワクの方が大きかったです。

そしていよいよプレゼンタイムが始まります。ここが「最高に楽しい」瞬間でした。

なぜなら会場がとんでもなく沸いているからです。発表者である学生も一生懸命に伝え、そしてプレゼンを受ける事業者や町の方々も真剣に聴いて全力でリアクションをしてくれます。まさに「リアルガチ」。あれほどアツいプレゼン大会は初めてでした!結果は惜しくも最優秀賞に選ばれませんでしたが、チームメンバーと28時間無事に走り抜けた達成感は最高に気持ちよかったです!!

・2回目(第3回タテシナソン参加時)
2度目は大学生になってからの挑戦です。この時のチームメンバーは関東圏の大学生2名と高校生1名、そして長野大学生1名と組むことになりました。なんと、同じ長野大学で同じ学部・学年なのに初対面でした。やっぱり皆はじめましてからスタート(笑)そして、今回ガイドを務めてくださったのは立科町でゲストハウスを経営する國澤さんでした。

第3回タテシナソンはマーガレットリフレクパークさんから、とにかく売上を伸ばすアイデアを出してほしいという課題を出されました。前回の木材店からガラッと事業者のジャンルが変わり、今回は複合型レジャー施設のお悩み解決でした。また、マーガレットリフレクパークさんは立科町の南側に位置しており、女神湖や白樺湖、白樺高原があることから町内でも特に観光客が集まりやすいエリアでアイデアを出すことになりました。同じ立科町が舞台でも課題が少し異なるだけで、全く違う雰囲気になることがタテシナソンの面白いところですね!

やはり、アイデアを出すためには立科町を知ることから始まります。まずは白樺高原の展望テラスから北アルプスを一望して親睦を深めたり、訪れていた観光客の方のお話を聞いたりしてから作戦会議をしました。

次はマーガレットリフレクパークさんへ行きました。理由は1つ。「全力で遊んで学ぶため」です。

テニスコートを見学したり、グランピング場を覗いてみたり、アーチェリーを実際に体験したり、全員思い思いに遊び回りました。そして事業者の方へのヒアリングや女神湖でアイデアを出し合っていると…案の定いつの間にか夜でした。

たっぷり遊んだ後は良いアイデアが溢れてきましたが、深夜になってもまとめられず、チームメンバーの皆で気分転換をしに女神湖まで歩いていきました。涼しい夜風にあたりながら満天の星空を眺めていると、次第に頭も冷えて気持ちも落ち着いていたのです。

少し不思議ですが第2回と第3回両方とも、悩んだ時は外を散策しているんですね。立科の自然から毎回パワーを貰っていたのでしょうか(笑)

そして翌日を迎えていよいよプレゼン本番前です。発表内容もいい感じに仕上がり、後は28時間の成果をぶつけるだけ!チームメンバーは「緊張する〜!」といいながらもワクワクを抑えきれない様子でした。私も同じです。タテシナソンのおかげでプレゼン大好き人間になってしまいました。第3回タテシナソンのプレゼンは前回よりもさらに熱量がパワーアップしていました。今でもあの会場でアツい発表をまたやりたい!と思うくらいに最高の舞台でした。

そしてなんと、今回は私たちのチームが最優秀賞の「タテシナソン大賞」をいただきました!!他チームの発表がどれも素晴らしかったのでかなり驚きましたが、とても嬉しかったです。

〇最後に

長くなってしまいましたが、タテシナソンの良い所って「真剣に取り組める」ことだと思います。主催者の方々や事業者さん、スタッフやガイドさん達が全力で支えてくれているから、参加者の学生も全力で28時間を駆け抜けたくなるんです。というか全力にならざるを得ない状況になります(笑) みなさんもタテシナソンに挑戦してみてはいかがでしょうか!ありがとうございました。


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