信州にある高原の町、長野県立科町(たてしなまち)。
この小さな町にも、幾多もの経営課題を抱えながら日々奮闘している企業や商店がある。そんな事業者の悩みを解決するために全国から集まった学生たち。初対面の学生たちがチームごとに町内を駆け巡り、徹底的に議論して磨き上げたアイデアを事業者にプレゼンする。
バックグラウンドが異なる学生が集まることで生まれる創造的な時間は、わずか28時間。最後に待つのはガチのプレゼンバトル。良質なアイデアは、町内企業や商店が採用し、事業化に向けて動き出す。
立科町をヤバくする学生アイデアソン。それが“タテシナソン”。
※アイデアソン(ideathon)とは「アイデア(idea)」と「マラソン(marathon)」を組み合わせた造語。ある特定のテーマや課題について、異なる分野の人たちが複数のチームに分かれて、数時間~数日間、自由にアイデアを出し合い、これまでになかった斬新な提言やアイデアを生み出すプログラムのこと。
タテシナソンを実施する理由
真の地方創生は、地域の魅力を活かす企業が増えることから始まる。
ここに2つのデータがあります。
ひとつは年齢5歳刻みの人口増減を表したもの。このグラフを見ると、2010年から2015年の5年間で10代後半~20代の人口が大きく減少しており、その後、立科町に戻ってきていないことがわかります。
もう一つのデータは、内閣府まち・ひと・しごと創生本部事務局が提供するRESAS(地域経済分析システム:https://resas.go.jp/)から抜粋したもので、町内各産業の付加価値額と全国市町村の順位を示したもの。この数字からは、町内事業者の稼ぐ力が他自治体(全国1,741自治体)に比べて、相対的に低いことがわかります。地域資源や魅力を十分に価値化できていない現状が付加価値額を押し下げており、このことが、地域内の雇用力の低下につながり、人口減少と地域の衰退を招いています。
また、地域づくりや社会課題に対して関心を持つ学生が増えており、地方で活動できるフィールドを提供することが自治体にも求められてきています。
そこで、事業者・学生・立科町それぞれに以下のようなメリットを生み出すことを目的として、立科町の事業者が抱える経営課題を、全国の若者のアイデアを活用して解決の糸口とする創造的な学生アイデアソン企画“タテシナソン”を実施しています。
○事業者にとってのメリット:アイデアを活用することで稼ぐ力の向上に結び付ける・普段は接点のない層の意見を聞ける など
○学生にとってのメリット:リアルガチの経営課題に挑戦できる・地方での活動フィールドを持つことができる など
○町にとってのメリット:町内事業者の稼ぐ力の底上げを図る・学生らと継続的な関係性を構築できる(関係人口の創出) など